【朝礼の3分間スピーチはなぜ嫌がられるのか】

 「今月から朝礼で3分間スピーチをしてもらいます!」こう言われて喜ぶ人はほとんどいないでしょう。内容を考えるのが面倒、人前に立つと緊張する、など理由はさまざまです。しかし私は1番の理由を「ちゃんと聞いてもらえる気がしないから」だと考えています。朝まだまだ眠い時間で場も温まっていません。そんなときのスピーチはたいてい誰とも目が合わず、リアクションもゼロ。これでは人前で話すことの抵抗感ばかりが大きくなります。

 

 私は職業訓練校、若者自立支援センターでスピーチの指導をしています。人前で上手く話すためにスピーチを「する」スキルを磨くのはもちろんです。それに加えて「聞く」ことも、以下の2点から学んでもらいます。

 

 1つ目はリアクションです。スピーチする人の目を見る、話を聞いて笑う、うなずく、「へ~!」「すごい!」と声を出す。話す前と後には必ず大きな拍手する。すると場が盛り上がるだけでなく、話す人は「聞いてもらっている」と感じるようになります。

 

 2つ目はフィードバックです。誰でも人前で話した後は、みんながちゃんと聞いていてくれたのか、自分の考えがどうとらえられたのか不安になります。そこで、スピーチの後に「あの仕事の成功の裏にはそんな努力があったのですね」とか「〇〇さんのやり方、自分も真似します!」など、聞いた人が感じたことを伝えるのです。

 

 

 この2つを徹底すると、受講生はみな次第にスピーチ楽しみになったと言います。ですから、3分間スピーチに抵抗感のある人は、まず自分から率先してリアクションし、スピーチをした人にフィードバックをしましょう。そうされてうれしいと感じた人は自分も人にするようになり徐々に話しやすい雰囲気が生まれます。「聞いてもらっている」という環境で3分間スピーチを重ねるとすスキルは上達しそして聞き上手にもなれるでしょう。