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【転職活動で気を付けたいこと:退職理由】

 就職した経験のある人が転職するとき、面接で必ず聞かれるのが「退職理由」です。ここで前の会社のネガティブなことは絶対に言わないよう、職業訓練校では指導します。

 

必ず「不満がなければ退職しなかった!」という声があがります。自分のやりたい仕事ができない、給与が安い、パワハラに合った、など最初のきっかけの多くはネガティブ要素かもしれません。しかし、そう聞かされた面接官はどう感じるでしょうか。たとえそれが事実であったとしても、前の会社について悪く言う人に対して「この人をうちの社員として迎えたい」とは考えないでしょう。どうせ職場が変わってもまた不満を言い続けるのだろう、と思われ採用につながらなくなるだけです。

 

では、退職理由としてネガティブ要素しか思いつかないという人はどうすればよいのでしょうか。面接官に好印象を持たれるために、嘘をつくわけにもいきません。でも、実は誰でも「嘘にならないポジティブ退職理由」は述べられます。今面接を受けている会社に応募するに至った経緯を考えてみましょう。

 

1)仕事内容や給与への不満があった。人間関係がうまくいかなかった

2)自分はこの会社にいるべきか、まだやるべきことはあるかを考えた

3)転職を決意した

4)(転職準備のために)自分のキャリアを棚卸した

5)4)で自分のセールスポイントや今後のキャリアプランを見出した

6)それに合った会社を見つけ、応募した

 

と、誰でもこのようなプロセスを経ています。ほとんどの方が退職理由として1)をどう伝えようか悩むのですが、2)以降を伝えればよいのです。きっかけは何であれ、現状に飽き足らず2)でキャリア形成についての意識を持ったとアピールし、4)、5)でそれを実施した、これが退職理由となります。嘘をつくのではなくあえて述べる必要のない要素は排除し、ポジティブな要素をピックアップすれば、ネガティブだったはずの退職理由も「ステップアップのため」という見せ方ができます。

 

 採用面接の質問への回答は、そのすべてが「自分のアピールタイム」になります。事実だからと洗いざらい述べるのではなく、さまざまな要素の中から伝えるべきことを選んで伝える。これが内定を勝ち取るポイントです。